“筆舌”の読み方と例文
読み方割合
ひつぜつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さあこの報せが光明峰寺にとどきますと、鶴姫様の御心配は筆舌ひつぜつの及ぶところではございません。早々にお見舞いの御消息がわたくしにたくせられます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
攀慕はんぼ愁腸しゅうちょう、尽し難しとは、このことでしょうか。慚愧ざんきねん、哀傷の感、どういってみても、いまの私の思いはこれを筆舌ひつぜつにすることもできませぬ……。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と同時に驚くまいことか! 俺も古本屋を前に見たまま、一足ひとあしずつ後へ下り出した。この時の俺の心もちは恐怖と言うか、驚愕きょうがくと言うか、とうてい筆舌ひつぜつに尽すことは出来ない。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)