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笯
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ど
ふりがな文庫
“
笯
(
ど
)” の例文
そういうころ、会所の寄合で夜を更かし、供を一人連れて磧を通りかかると、
落鰻
(
おちうなぎ
)
を拾う
下人
(
げにん
)
が五人ばかり、磧の岸に
笯
(
ど
)
を仕掛けながら
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
また早春、奥山の雪が解けて、里川の河原を薄にごりの雪代水で洗うとき、
遡
(
のぼ
)
り
笯
(
ど
)
で
漁
(
と
)
った鰍も決して悪くはない。
姫柚子の讃
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
縄の他に
笯
(
ど
)
を以って魚を捕ってるものもある。
夜の隅田川
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
稲田あり
笯
(
ど
)
あり日本に似たるかな
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
この魚を飛越線の鉄道工事に雇われている鮮人の細君が、川の浅い所へ伏せ
笯
(
ど
)
を置いて
漁
(
と
)
っているのを見たが、鮮人の婦人は何でもやるものだと思ったものである。
水と骨
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
▼ もっと見る
梅屋の重吉が
深良
(
ふから
)
の川口へ鰻の
笯
(
ど
)
を揚げに行ったれば、蘆の根ッこに、ほとけさまがツラまッておりますゆえ、怖わ怖わ検分いたしましたところ、それが奥方様の御遺骸だッたンで御座いまして
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その頃、鰍押しの網で
漁
(
と
)
ったものならば、ほんとうの至味という。また、早春奥山の雪解けて、里川の薄にごりの雪
代
(
しろ
)
水が河原を洗う時、
遡
(
のぼ
)
り
笯
(
ど
)
で漁った鰍も決して悪くない。
冬の鰍
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
たいていの
鈍
(
どん
)
な親なら、これだけ聞かされてはおさまるはずがなく、「なにをぬかす、鰻掻きめら」と、ありあう
笯
(
ど
)
を蹴散らしていきり立つところだが、さすがは
老骨
(
ろうこつ
)
、そんな未熟な
所為
(
しょい
)
はしない。
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
中瀬
(
なかせ
)
のところは流れが早くてたびたび失敗したが、いくども根気よくやり直してどうにかやりこなし、魚を追い詰められるように、岸のところへ古い
蛇籠
(
じゃかご
)
と木の枝を沈めて
笯
(
ど
)
のようなものをつくった。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
笯
部首:⽵
11画