端正しゃん)” の例文
もすそってねたように云いながら、ふと、床の間の桜を見た時、酔った肩はぐたりとしながら、キリリと腰帯が、端正しゃんしまる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一目にそれしゃとは見えながら、衣紋つき端正しゃんとして、薄い胸に品のある、二十七八の婀娜あだなのが、玉のようなうなじを伸して、瞳を優しく横顔で、じっと飴屋の方を凝視みつめたのがある。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)