竪町たてまち)” の例文
八幡の社を出て米友は三の堀を、くるわの中へと行きました。廓を抜けて町の方へ行こうとして、竪町たてまちの正念寺の角を曲って二の堀のきわを歩いて行くうちに、米友は
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宿直ですから、これから帰って泊る事はたしかに泊りますと云い捨てて済ましてあるき出した。竪町たてまちの四つ角までくると今度は山嵐やまあらしに出っわした。どうもせまい所だ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一 まいり来て此お町を見申せや、竪町たてまち十五里横七里、△△出羽にまよおな友たつ
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
牧師でなくては繰り返されぬ程繰り返して言ふ。「ねえ、ヨハンネス。これからあの竪町たてまちの内へ往つて、ラゴプスてうを食べよう。ラゴプス鳥を。ワクチニウムの実を添へてラゴプス鳥を食べよう。」
(新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)