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空嘯
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うそぶ
ふりがな文庫
“
空嘯
(
うそぶ
)” の例文
「きょうのお
肴
(
さかな
)
はいきがいいね」と祖母は叔母に、
空嘯
(
うそぶ
)
いて話しかけた。……私の言葉が祖母の耳には這入らないかのように……。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「高山の林公が何を云つてやがるんだい」と
空嘯
(
うそぶ
)
いてゐたと云ふが、漱石先生などの眼からは、樗牛の空威張りが
嘸
(
さぞ
)
や馬鹿げて見えたであらう。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
畢竟
(
ひっきょう
)
、親の子のというは人間の私、ひろき天地より観るときは、おなじ世界に湧いた虫」と大判司は相手に負けないような眼をみはって
空嘯
(
うそぶ
)
く。
島原の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは
満腔
(
まんこう
)
の敵意を、反っくり返った鼻と、山のごとく
聳
(
そび
)
えた肩に見せて、万七の
空嘯
(
うそぶ
)
く前を通ります。
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただ、単に
Par amour
(
パーラムール
)
(色ごととして)ならお相伴しますがね!】と、
空嘯
(
うそぶ
)
いていた。
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
漆紋
(
うるしもん
)
の、野暮ったい
古帷子
(
ふるかたびら
)
の前を踏みひらいて毛脛を風に
弄
(
なぶ
)
らせ、れいの、眼の下一尺もあろうと思われる馬鹿長い顔をつんだして
空嘯
(
うそぶ
)
いているさまというものは、さながら
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
すると町長は、俄かに笑顔を引込め、松吉のいったことが聞えぬげに
空嘯
(
うそぶ
)
いた。
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
上方に向ひて
空嘯
(
うそぶ
)
く。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
藤波は、手酌でぐっとひっかけておいて、
驕慢
(
きょうまん
)
に
空嘯
(
うそぶ
)
くと
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
といって、きょろりと
空嘯
(
うそぶ
)
く。
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
嘯
漢検1級
部首:⼝
16画
“空嘯”で始まる語句
空嘯吹