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穴山
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あなやま
そこには、
白旗の
宮のまえから、追いつ追われつしてきた
小幡民部が、
穴山の
旗本雑兵を八面にうけて、今や
必死に
斬りむすんでいる。
穴山がたの
郎党も、たがいに目から火をだしての
狼狽だった。そして白熱戦の一瞬がすぎると、だれしも
命は
惜しく、八ぽうへワッと飛びのく。——
穴山の四
天王猪子伴作、
足助主水正、その他の
郎党は、民部が神のごとき采配ぶりにたちまち
頽勢を
盛りかえし、
猛然と
血槍をふるって
追撃してきた。