ようや)” の例文
筏乗は悪く致すと岩角に衝当つきあたり、水中へおちるような事が毎度ありますが、山田川から前橋まで漕出こぎだす賃金はようやく金二円五十銭ぐらいのもので、長いかじを持ち筏の上に乗って
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
只今なれば起るのが十時でげすな、往時まえ巳刻よつと云った時分にようやく眼を覚して
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と殿様はようやく起上りましたが、血だらけでございます。是は權六の血だらけの手で押付けられたから、顔から胸から血だらけで、これを見ると御家来が驚きまして、呆れて口が利けません。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
えゝ早々お礼にまかずべきでござったが、主用しゅよう繁多にき存じながら大きにお礼が延引いたしました、ようや今日こんにち番退ばんびきの帰りに罷出まかりでました儀で、先生御在宅なれば目通りを致しとうござる
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
重「これは蹈めません、鈍刀なまくらで、ようやく一両二分ぐらいなものでございます」
ようやくの事で止めました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)