“秘冊”の読み方と例文
読み方割合
ひさつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
周馬にちょっと口をすべらしたとおり、孫兵衛にはあの秘冊ひさつ血汐ちしおの細字でつづられている隠密組の隠語が読めないのであった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「天堂一角の亡骸なきがらを見つけた時、かれの死首がくわえていた一ツの秘冊ひさつを、貴公、すばやく懐中ふところへ隠したじゃあないか。その後、どうして拙者にじつを明さない」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
首の細いおそめ人形や久松人形も血泥ちどろによごれて、箱と一緒に踏みつぶされていたが、ふと、有村が隙を狙って拾い取ったのは、その人形とともに箱の中から飛びだしていた桐油紙とうゆで包んだ一じょう秘冊ひさつ
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)