碍子がいし)” の例文
や、鴉だなと私は向うの電柱の頂辺てっぺんを眺める。無数の白い碍子がいしと輝く電線、それに漆黒の鴉が四、五羽も留っている。紫に見える。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
その下に、六本のいかめしいプッシング碍子がいしの台の上にのっていたガラスの箱は、碍子を残しただけで、あとかたもない。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
電信柱の瀬戸の碍子がいしが、きらっと光ったり、青く葉をゆすりながらやなぎがだんだんめぐったり、汽車は丁度黒沢尻くろさはじりの町をはなれて、まっすぐに西の方へ走りました。
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
茶色のせとものの塔のようながいし(電柱などについている電線をとめるせともの。碍子がいし
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いかめしい碍子がいしじこんだりしたすえに、真黒で四角の変圧器まで取付けていった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてその鶴をもってこっちを見ているかげももうどんどん小さく遠くなり電しんばしらの碍子がいしがきらっきらっと続いて二つばかり光ってまたとうもろこしの林になってしまいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
立ちつづく電柱の薄紫の碍子がいし、針金。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
そしてそのつるをもってこっちを見ているかげも、もうどんどん小さく遠くなり、電しんばしらの碍子がいしがきらっきらっとつづいて二つばかり光って、またとうもろこしの林になってしまいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
百の碍子がいしにあつまる雀
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)