真空まそら)” の例文
旧字:眞空
清水の真空まそらの高い丘に、鐘楼を営んだのは、寺号は別にあろう、皆梅鉢寺と覚えている。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
拝殿はいでん裏崕うらがけには鬱々うつうつたる其の公園の森をひながら、広前ひろまえは一面、真空まそらなる太陽に、こいしの影一つなく、ただ白紙しらかみ敷詰しきつめた光景ありさまなのが、日射ひざしに、やゝきばんで、びょうとして、何処どこから散つたか
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
拝殿の裏崕うらがけには鬱々うつうつたるその公園の森を負いながら、広前ひろまえは一面、真空まそらなる太陽に、こいしの影一つなく、ただ白紙しらかみを敷詰めた光景ありさまなのが、日射ひざしに、ややきばんで、びょうとして、どこから散ったか
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かすかに、たがいの顔の見えた時、真空まそらなる、山かづら、山のに、ほがらかな女の声して
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)