相摩あいま)” の例文
まだ舷々げんげん相摩あいましもせぬ戦の真先に、弟を討たれて、蔡瑁さいぼうは心頭に怒気を燃やし、一気に呉の船列を粉砕せよと声をからして、将楼から号令した。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翠嶂すいしょう山と呼ぶこのあたり、何かわびしい岩礁と白砂はくさとの間に高瀬舟の幾つかが水にゆれ、波に漂って、舷々げんげん相摩あいまするところ、たれがつけたかその名も香木峡という。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
出港後間もなく、岬をかわしたところで、横浜からマルセイユを経て来て、これから倫敦ロンドンへ行こうとしている同じNYKのH・Z丸に出会した。巨船二艘、舷々相摩あいまさんばかりの壮観である。