直哉なおや)” の例文
映画館に入ると、私たちはいちばんすみの空席に腰をおろした。戦争前につくられた志賀直哉なおや原作の『赤西蠣太あかにしかきた』という時代物が終ったところである。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
薄暗い部屋の中に、私は直哉なおやの「和解」を思い出していた。こんなカフエーの雑音に巻かれていると、日記をつける事さえおっくうになって来ている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
直哉なおやだの善蔵ぜんぞうだの龍之介りゅうのすけだの菊池寛だの、短篇小説の技法を知っている人も少くなかったが、昭和のはじめでは、井伏さんが抜群のように思われたくらいのもので
十五年間 (新字新仮名) / 太宰治(著)
わずかに島崎藤村、谷崎潤一郎、武者小路実篤むしゃのこうじさねあつ、佐藤春夫、室生犀星むろうさいせい位であり、そして真の芸術至上主義者として、自殺した芥川龍之介、志賀直哉なおや等を数えるにすぎないだろう。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
直哉なおやは?」
メフィスト (新字新仮名) / 小山清(著)