皮籠かわご)” の例文
直ぐにはふたを開けるのが惜しい気がして、なおよく見ると、普通にあるような皮籠かわごではなくて、金色のうるしの塗ってある立派な筥であった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
御部屋の中には皮籠かわごばかりか、廚子ずしもあれば机もある、——皮籠は都を御立ちの時から、御持ちになっていたのですが、廚子や机はこの島の土人が、不束ふつつかながらも御拵おこしらえ申した
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)