白濁はくだく)” の例文
小初がひたすら進み入ろうとするその世界は、果てしも知らぬ白濁はくだくの波の彼方かなたの渾沌未分の世界である。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ねらって突き入れるのはむずかしいようだけれども白眼の所はかたくて針が這入はいらないが黒眼は柔かい二三度突くとうま工合ぐあいにずぶと二分ほど這入ったと思ったらたちまち眼球が一面に白濁はくだくし視力が失せて行くのが分った出血も発熱もなかった痛みもほとんど感じなかったこれは水晶体すいしょうたいの組織を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)