発奮はっぷん)” の例文
旧字:發奮
頭足とうそく類、腹足ふくそく類、斧足ふそく類などを暗記しておりますのも、道夫以上に母親が知っていれば、道夫が発奮はっぷんすると思うからでございますよ。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれがそのときの恥に発奮はっぷんして、人なみに上菓子の喰える人間になろうと志した発奮の動機を、いまのすがたにてらしあわせて、ようやく、酌みとることができた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唯、生きていることだけがかろうじてゆるされたことの全部であるといってもいい。考えようによっては男子の本懐ほんかいでもあるが、お父さんは、この難境なんきょうに突き落されることによって発奮はっぷんした。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
立てゝ上京してから間もなくのことさ。我輩は先輩の紹介で或弁護士の家へ書生に住み込んだ。この間話したろう? そら、将来毎日コーヒ湯の飲める身分になってやろうと発奮はっぷんした頃のことさ
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)