町人まちびと)” の例文
あるのこと、一人ひとり町人まちびとは、そのふえたよりにあるいてゆきました。まちはなれ、えて、そのおとは、あちらからこえてきたのでした。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
先生はなんの抵抗ていこうもせずにこの地方の教育界の将来のために喜んで十字架についたのである、先生は浦和の町人まちびとがかならずその不正不義を反省するときがくると自信しているのだ。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
町人まちびとはみなこの小川にてさまざまのもの洗いすすげど水のやや濁れるをいとわず、流れには板橋いくつかかかりて、水際みぎわには背低きかえでをところどころに植えたる、何人の思いつきにや
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)