生民せいみん)” の例文
その天末てんまつに糸を引くがごとき連峰の夢よりも淡きを見て自分は一種の哀情メランコリーを催し、これら相重なる山々の谷間に住む生民せいみんおもわざるを得なかった。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
後、董卓とうたく出でて、ひとたび治まるも、朝野の議をみだりにわたくしなし、四こうの乱、ついで起り、あわれ漢帝を民間に流浪させ参らせ、生民せいみん溝壑こうがくに追い苦しむ
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いにしえよりもって今に及ぶまで、生民せいみんより以来、またかつて鬼神の物を見、鬼神の声を
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)