生効いきがひ)” の例文
本当に、生効いきがひがあるといふ時が来るであらう。しかし、その時、その時が何れほど好いか。何れほど満足であるか。また何れほど予想に異つてあらはれて来るか。
大阪で (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
僕なども今日こんにちの有様では生効いきがひの無い方じやけれど、このままでむなしく死ぬるも残念でな、さう思うて生きてはをるけれど、苦しみつつ生きてをるなら、死んだ方が無論ましですさ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これからの自分の生活というものが、なんだか生効いきがひのあるやうに思はれた。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)