環飾わかざり)” の例文
憂ひの林これをめぐりて環飾わかざりとなり、さながら悲しみの濠の林に於ける如くなりき、こゝに我等ふちいと近き處に足をとゞめぬ 一〇—一二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
これにあたりたるものは、いろどりたる旗、桂の枝の環飾わかざり檸檬リモネの實の皮などを懸けたる小車に乘りうつりぬ。その旗のをかしく風にひるがへるさま、衣の紐などの如く見えき。
袁氏はまた懐から碧玉へきぎょく環飾わかざりを出して老僧の前へ置いて
碧玉の環飾 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
平土間より舞臺へ幅廣きはしごをわたしたるが、樂人の群の座はその梯の底となりたり。舞臺には畫紙をり、環飾わかざり紐飾を掛けて、客の來り舞ふに任せたり。樂人は二組ありて、代る代る演奏す。