現責うつつぜめ)” の例文
こんな臭い部屋へ抛りこんで現責うつつぜめとやらで俺の口供を強ひても要求するやうでは俺はとても我慢しきれない。どうせ殺されるなら、勝手に調書をお作りなさいと云つて了つた方がいいかも知れない。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
殺さぬまでに現責うつつぜめに苦しめ呪うがゆえ、生命いのちを縮めては相成らぬで、毎夜少年の気着かぬ間に、振袖に扱帯しごきおびした、つらいぬの、召使に持たせて、われら秘蔵の濃緑こみどりの酒を、瑠璃色るりいろ瑪瑙めのうつぼから
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)