“珍膳”の読み方と例文
読み方割合
ちんぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この爽麗そうれいなる温室内に食卓を開きて伯爵家特有の嘉肴珍味かこうちんみきょうす。このうちに入る者はあたかも天界にある心地ここちしてたちまち人間塵俗じんぞくの気を忘る。彩花清香せいこう眉目びもくに映じ珍膳ちんぜん瑶盤ようばん口舌をよろこばす。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あなたは法衣の役人である。定収入、邸宅、馬車、従僕、珍膳ちんぜん、あらゆる生活の楽しみ、あなたはそれらのものを他の人々と同じく所有し、同じく享楽していらるる。それは結構である。
はるばる、荊州から携えてきた南壺なんこの酒、襄陽の美肴びこうに、蜀中の珍膳ちんぜんをととのえ、旗幡林立きばんりんりつの中に、会場をいろどって、やがて臨席した劉璋以下、蜀の将軍文官たちに、心からなるもてなしを尽した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)