片布きれ)” の例文
食人肉人種の子孫 さてその死骸をおおうて行ったところの片布きれその他の物は御坊おんぼうが貰います。その御坊おんぼうは俗人であってその仕事を僧侶が手伝うのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
猿轡さるぐつわと申して口の中へ何か小さい片布きれを押込み、其の上を手拭にて堅くしばり、島田髷はガックリと横に曲り、涙が伝わって襦袢の半襟が濡れて居りまする。
一同が順々に京子の脣へ水をつてから、顏へ白い片布きれを掛け、白い屏風を立て廻らして、枕元の小机には、水と鹽と洗米あらひよねとを盛つた土器かはらけを置き、細い燈明の火がチラ/\してゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)