燐枝マッチ)” の例文
れ!」とかれはそのてのひらを学生の鼻頭はなさき突出つきいだせり。学生はただちにパイレットのはこを投付けたり。かれはその一本を抽出ぬきいだして、燐枝マッチたもとさぐりつつ
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
通りがかりに、ちょいとほんの燐枝マッチを買いに入ったばかりで、あんな、恐ろしい、いまわしい不気味なものを、しかも昼間見ようとは、それこそ夢にも知らなかった。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)