いり)” の例文
いのちたすかりたるのち春暖しゆんだんにいたればはれやまひとなり良医りやういしがたし。凍死こゞえしゝたるはまづしほいりぬのつゝみしば/\へそをあたゝめ稿火わらびよわきをもつて次第しだいあたゝむべし、たすかりたるのちやまひはつせず。
からだはいよいよほてって来て、いりつくように喉が渇くので、かれはよろめく足を踏みしめながら、ふたたび水甕のそばへ歩み寄ろうとする時に、暮れかかる表から一人の男が影のように入って来た。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)