煎薬せんじぐすり)” の例文
旧字:煎藥
貝入りの膏薬こうやく煎薬せんじぐすりとで、その用いかたを入念に教え、膏薬のほうは自分でおとよに貼ってみせた。おとよはぴたっと泣きやんだ。
しかし私はここに不衛生なる裏町に住んでいる果敢ない人たちが今なお迷信と煎薬せんじぐすりとにその生命せいめいを托しこの世を夢と簡単にあきらめをつけている事を思えば
粉薬だの煎薬せんじぐすりなどが置いてあるのを見ると、女は、ちょっと眉をひそめたが、総司が、その夜具の上へ崩れるように坐り、はげしくせき入ると、すぐ背後うしろまわり、背をでた。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)