無茶むちゃ)” の例文
彼女は誘拐ゆうかいされたのにちがいない。だが、銀座のまん中で、女給をさらうというような無茶むちゃなまねをする男が、今の世にあるだろうか。あまりに人間離れのした非常識ではないか。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは無茶むちゃないい方です。『エネルギー恒存こうぞんの法則』というのがあります。これは、宇宙にあるエネルギーを合わせたものは、いつも同じ量であって、ふえたり、へったりしない。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
食味しょくみなども、下町式のいきを好むと同時に、また無茶むちゃ悪食あくじき間食家かんしょくかでもありました。
「この雑踏に抜きゃあがるとは、無茶むちゃな野郎もあったもんですね」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「そりゃあ、私のほうでも、一通りの案は作ってあるよ。君らの相談が行きづまったり、あんまり無茶むちゃだったりする時の参考にするつもりでね。だから、君が思っているほど無責任ではないつもりだ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ああ。——無茶むちゃだよ」
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
なんでもかみなりさまを塔の上へ呼ぶちゅう無茶むちゃな実験をなさっているうちに、ほんとに雷さまががらがらぴしゃんと落ちて、天にとどくような火柱ひばしらが立ちましたでな、それをまあ、ようやく消しとめて
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「それは無茶むちゃだ。命は一つしかない」
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)