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為向
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しむ
ふりがな文庫
“
為向
(
しむ
)” の例文
女の口から言わせるように
為向
(
しむ
)
けて、そして自分が止めるのをも聴かず、女が
敢
(
あえ
)
てするようになることを望んでいた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
義理にもそんな薄情な行為を
為向
(
しむ
)
けられるようなことを、自分は少しもしていない。……今に来るにちがいない。不安の念を、そう思い消して待っていた。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
もっとも、女房の
為向
(
しむ
)
けも疑えば疑われる。食わしてもらうその礼心でもあろうが、銭占屋の事というと
忠々
(
まめまめ
)
しく気をつけて、下帯の洗濯から布団の上げ下ろしまで世話をしてやる。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
日野屋の資産は兄栄次郎の
遊蕩
(
ゆうとう
)
によって
傾
(
かたぶ
)
き掛かってはいたが、先代忠兵衛が五百に武家奉公をさせるために
為向
(
しむ
)
けて置いた
首飾
(
しゅしょく
)
、衣服、調度だけでも、人の目を驚かすに足るものがあった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“為”で始まる語句
為
為事
為方
為替
為人
為様
為体
為合
為来
為業