点火器ライター)” の例文
気どったようすで扉があいて、ニッカーを穿いた面皰にきびだらけの青二才がはいってきた。点火器ライターをだして金口に火をつけると
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
私はフト思い付いたことがあって、衣嚢から点火器ライターを取出しました。阿修羅の顔を見ずに別れるということは、命にかけても忍びないことだったのです。
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
点火器ライターの小さい焔がユラユラとゆらめくと、死人の顔には、真黒ないろいろの蔭ができて、悪鬼あくきのようにすざまじい別人のような形相ぎょうそうが、あとからあとへと構成され
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
茶卓の上には卓上点火器ライターを兼ねた灰皿が一つだけ、その側に行儀よくパイプが置いてありますが、主人の小栗以外に煙草たばこった形跡もなく、部屋の隅の三角棚には
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ポケットから点火器ライターをとりだして、カチッと火をつけると、左手で静かに枕元の方へさしだし、一方の右手を伸ばして夜具やぐえりをグッとつかむと、ソッと持ちあげてみた。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
点火器ライター淡黄色あわきいろい光に照し出された一つの顔は、たしかに松山虎夫の顔であるには相違なかったけれど、そこには最早もはやあの活々いきいきとしたほがらかなスポーツ・マン松山の顔はなかった。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)