なぞら)” の例文
道六神の石標が六になぞらえた六角形の自然石、赤黄色を帯びて多分に燐を含む俗にいう鬼火石であることに平兵衛は気がつかなかった。
天子の御即位の後、新しく立つた斎宮は、伊勢まで長い道をば「群行」と言ひまして、行列を作つて……、神々の行列になぞらへて見ればわかりますが、旅に出られます。
真間・蘆屋の昔がたり (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
流れ去る紙片になぞらへ御帰省を心ひそかに待ちつゞけてをりました私とは、夫々にちがつた希ひからではありますけれど、お帰りが二週間も延びたことを伺つて同じやうに落胆いたしました。
〔婦人手紙範例文〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)