源兵衛げんべえ)” の例文
巻末に「右者五条御代官御役所時之御代官内藤杢左衛門もくざえもん様当時に被御出御中付候ニ付大谷源兵衛げんべえ七十六歳にて伝聞之儘のままを書記し我家に残し置者也」
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
多吉の俳諧三昧はいかいざんまいと、その放心さと来たら、かつて注文して置いた道具の催促に日ごろ自分の家へ出入りする道具屋源兵衛げんべえを訪ねるため向島むこうじままで出向いた時
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから続いて「ふゆ」「源兵衛げんべえ」なぞの、今度は氏一人で作った俳体詩が出来た。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
この小主水の部屋から妹分で此のごろ突出つきだされた一人の娼妓こどもは、これも大阪もので大家たいけの娘でございましたが、うちの没落に身を苦界くがいに沈め、ごとに変る仇枕あだまくらあした源兵衛げんべえをおくり
大阪南区畳屋町に錺屋かざりや源兵衛げんべえという人があった。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)