湧水ゆうすい)” の例文
ほりは深く、幅も広い。本能寺のそれとはちがって満々と水をたたえている。どこかに自然と湧水ゆうすいがあるとみえて、蒼々あおあおさざなみたてて澄んでいた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若松の裏海岸、港とは反対のわきうらの外れに、白鳥しらとり温泉がある。温泉といっても、ほんのちょっぴり硫黄分のある湧水ゆうすいを、かしているだけだ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
また巻六志太郡藤枝町大字若王子にゃくおうじの押切川蓮池はすいけに隣する北の谷に泉あり、アワラという。その下流時ヶ谷を経て葉梨川に入るとある。これは湧水ゆうすいの所かと思われる。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)