渾身みうち)” の例文
体が冷えて、爪に血の色がせて来ると、医師いしゃがやって来て注射を施した。患者はしばらくのまに渾身みうちが暖まって来た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
舞踏でもするような運歩あしどりで部屋のうちを跳ね廻ッて、また床の上へ来るとそのまま、其処そこ臥倒ねたおれる拍子に手ばしこく、まくらを取ッてかしらあてがい、渾身みうちを揺りながら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
栗栖は言いにくそうに、初めて当たってみるのだったが、銀子はマダムの初七日も済んだか済まぬに、ちょっとその相談を受け、渾身みうちの熱くなるのを覚えた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)