済世さいせい)” の例文
故に出生しゅっしょうせねば済世さいせいが出来ぬと申すもこの事なり。済世というは則ちこの世の人を済度さいどする事に御坐候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
でなければ見事きわまる賢哲保身だ。それを粉飾せんが為の高踏廻避と、それを糊塗ことせんが為の詩禅一致だ。済世さいせい気魄きはくなど薬にしたくもない。俺は夢厳和尚の痛罵つうばを思いだす。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
私に済世さいせいの一斑を達するは、あにまた天与の自由を得るものといわざるべけんや。
中元祝酒の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
然り基督教は多くの仏教徒の今日為すがごとく済世さいせいを怠りつつ自己の蓄財に汲々たるを奨励せざるなり、基督教は雀の朝より夕まで忙がしきがごとく人をして忙がしからしむるものなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
他日を待っても彼とは共に天下済世さいせいのはかりもじっくりはなしてみたい。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
カヴル経国けいこく済世さいせいの建設的偉図も、あるいはマジニー一片の革命的檄文げきぶんかざるものあり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
でなければ見事きはまる賢哲保身だ。それを粉飾せんが為の高踏廻避と、それを糊塗ことせんが為の詩禅一致だ。済世さいせい気魄きはくなど薬にしたくもない。俺は夢厳和尚の痛罵つうばを思ひだす。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)