海猫うみねこ)” の例文
葉子の家の裏あたりから、川幅は次第に広くなって、浪にただよっている海猫うみねこの群れに近づくころには、そこは漂渺ひょうびょうたる青海原あおうなばらが、澄みきった碧空あおぞらけ合っていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ある若い男の話である、青函連絡船せいかんれんらくせんのデッキの上で、飛びかわす海猫うみねこの群れを見ていたら、その内の一羽が空中を飛行しながら片方の足でちょいちょいと頭の耳のへんを掻いていたというのである。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
海猫うみねこ!」
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
き声を立てて、無数の海猫うみねこが浪のうえにかたまっていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)