浙東せっとう)” の例文
げんの末には天下大いに乱れて、一時は群雄割拠の時代を現じましたが、そのうちで方谷孫ほうこくそんというのは浙東せっとうの地方を占領していました。
げんの末に方国珍ほうこくちんと云う者が浙東せっとうの地に割拠すると、毎年まいねん正月十五日の上元じょうげんから五日間、明州みんしゅうで燈籠をけさしたので、城内じょうないの者はそれをて一晩中遊び戯れた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
といえるごとき、常套じょうとうの語なれども、また愛すし。古徳と同じゅうせんと欲するは、にして、淮楚わいそ浙東せっとうに往来せるも、修行のためなりしや游覧ゆうらんの為なりしや知る可からず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)