泥中でいちゅう)” の例文
冬の朔風きたかぜからまもり、熱を起こさせる泥中でいちゅうの睡眠から防ぎ、死を招く雪中の睡眠から防ぐの用に立った。
かかる暗黒のうちにこそ信仰の光りは輝きずるのであり、聖武天皇と光明皇后の信仰も、泥中でいちゅう蓮華れんげのごとく咲き出でたのである。この点については後節「不空羂索ふくうけんじゃく観音」で更に詳しくふれたい。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
前進は遅々として困難だった。下降用の梯子はしごが底の泥中でいちゅうに三尺も没することは珍しくなかった。角灯はガスのためによく燃えなかった。気絶した者を時々運び出さなければならなかった。