汚点おてん)” の例文
旧字:汚點
「うん、なんか附いてはいるが——」若い男は注射器を、明り窓の方にかして、その茶色の汚点おてんに眺め入った。「電灯はきませんか」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
換言かんげんすれば彼の怪人は、植物の進化したものである。ゆえに銃丸が入っても別に死せず、唯「緑の汚点おてん」として発見せられた緑汁りょくじゅうの流出があるばかりである。
科学時潮 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
実は星尾をおさえに行った部下の刑事が、こちらへ護送してくる途中、星尾がソッとふところから出して道端みちばたに捨てたのをいち早く拾いあげたのです。それには茶褐色ちゃかっしょく汚点おてんがついていました。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
兎がもちをついているような汚点おてんのある月、いや、それよりも、いつか学校の望遠鏡でのぞいてみた月の表面の、あのおそろしいほどあれはてた穴だらけの土地! その月の上に着陸するときいては
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)