永井荷風ながいかふう)” の例文
あげくのはてが、永井荷風ながいかふう先生、宇野浩二先生、瀧井孝作たきいこうさく先生方を始め悪口雑言あっこうぞうごん無礼妄言ぶれいもうげんの数々、性来のオッチョコチョイで仕方がない。
インチキ文学ボクメツ雑談 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
そう云う点のわかっているのは文雄ふみおってあたしの従兄いとこなのよ。これは永井荷風ながいかふうだの谷崎潤一郎たにざきじゅんいちろうだのを読んでいるの。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
永井荷風ながいかふうが『歓楽』のうちで「得ようとして、得た後の女ほどなさけ無いものはない」といっているのは
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
看方みかたよってはこの遊戯気分が都会文芸の一要素となってるので、永井荷風ながいかふう小山内薫おさないかおるや夏目漱石の提撕ていせいを受けた三田派や人生派の芸術も著るしくこの戯作者的気分を持っている。
谷口吉郎たにぐちよしろう博士の設計に拠るということで、特に明治の煉瓦れんがを集めて十三げんへいを作り、二尺五寸に三尺六寸の横長の黒御影石みかげいしめこみ、それに永井荷風ながいかふう氏が「沙羅の木」の詩を書かれたのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
永井荷風ながいかふう氏や谷崎たにざき潤一郎氏もやはりそこへ通ったはずである。当時は水泳協会もあしの茂った中洲なかずから安田の屋敷前へ移っていた。僕はそこへ二、三人の同級の友達と通って行った。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)