水転みずてん)” の例文
玉子の殻がまだ尻ッぺたにくっついている水転みずてんのくせにしやがって、よくも一杯喰わせやがったな。
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかるにまた大多数の人〻はそれでは律義りちぎ過ぎて面白くないから、コケが東西南北の水転みずてんにあたるように、雪舟せっしゅうくさいものにも眼をれば応挙おうきょくさいものにも手を出す
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
深川の堀割の夜深よふけ、石置場のかげから這出はいだす辻君にも等しい水転みずてんの身の浅間あさましさを愛するのである。悪病をつつむくさりし肉の上に、ただれたその心の悲しみを休ませるのである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)