水菓子屋みずがしや)” の例文
要吉ようきちは、東京のやまにある、あるさか水菓子屋みずがしや小僧こぞうさんです。要吉は、半年はんねんばかり前にいなかからでてきたのです。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
「あの横町よこちょう水菓子屋みずがしやの前まで走ってって、いきなり短刀を出して首を突いたのですよ、おっそろしい」
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
庄太郎は町内一の好男子こうだんしで、至極しごく善良な正直者である。ただ一つの道楽がある。パナマの帽子をかぶって、夕方になると水菓子屋みずがしやの店先へ腰をかけて、往来おうらいの女の顔を眺めている。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれどある日ガロフォリが、ぼくが水菓子屋みずがしやにもらった一さらのスープを飲んでいるところを見つけると、なぜぼくがうちで晩飯ばんめしをもらわずに平気で出て行くか、そのわけをはじめて知った。