水白粉みずおしろい)” の例文
過酸化水素キュカンバー、緑の水白粉みずおしろい、練白粉、花椿はなつばき香油、過酸化水素クリーム……みんな平凡だな、和製の余りお高くない品ばかりだ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
自分で結ったらしい、油けなしのじみなまげで、さっと水白粉みずおしろいいただけの薄化粧が、こまかくなにかの花を染めだした紫色の単衣ひとえと、涼しげな、いい調和をみせていた。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
化粧水と水白粉みずおしろいとだけをうっすらと刷いた横顔が、神々しいほど淋しく見えた。その彼女を前にして、火燵の中に蹲りながらひそかに涙を流してる自分の姿が、想像のうちに浮んできた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
水白粉みずおしろいを手につけながら、かよは横目で万三郎を見た。万三郎は手を振った。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)