水甕みづかめ)” の例文
ソクラテスの女房は、うかして機嫌の悪い時には、一しきり我鳴りたてた揚句あげくはてが、いきなり水甕みづかめの水を哲学者の頭に、滝のやうにけたものだ。
大勢がどや/″\驅け寄つて、口々に荒い言葉で指圖し合つて、燃え付いてゐる障子を屋根から外へ抛り出したり、バケツや手桶てをけ水甕みづかめの水をすくつて來たりした。父の目も血走つた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)