あやう)” の例文
この「ほとほと死にき」をば、あやうしの意にして、胸のわくわくしたと解する説もあり、私も或時あるときにはそれに従った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
せきたりりょうたり。独立して改めず。周行してあやうからず。もって天下の母となすべし。われその名を知らず。これをあざなして道という。いてこれが名をなして大という。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
妙人の妙はその平凡なる処、つたなき処において見るべし。『唐詩選』を見て唐詩を評し展覧会を見て画家を評するはあやうし。蕪村の佳句ばかりを見る者は蕪村を見る者に非るなり。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
金銭のみが財産にあらず、殷紂は宝玉金銀の中に焚死し、公孫瓚は米穀の中に自滅せり。いかに多く積むも扱いようでたちまちなくなる、あやうきものは金銭なり。神林の樹木も神社の地面も財産なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
かちすなわちあやうからず
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妙人の妙はその平凡なるところ、つたなきところにおいて見るべし。唐詩選を見て唐詩を評し、展覧会を見て画家を評するはあやうし。蕪村の佳句ばかりを見る者は蕪村を見る者にあらざるなり。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)