武者窓むしゃまど)” の例文
美妙の武者窓むしゃまどの長屋よりは気のいた一軒だてであったが、美妙が既に一人前の紳士であったと違って、紅葉はマダ書生ッぽで三畳の書斎に納まっていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そこは大きなやしきの前で、左右の長屋の武者窓むしゃまどすきから燈火ともしびが処どころれているのを見た。うしろの方を見るとそこにも大きな邸の土塀どべいがあった。人もぼつぼつ通っていた。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
門の右側の方に武者窓むしゃまどのような窓のついている長屋が三軒あって、それもすべてこの家に附いているのだ、この長屋というのは、れもこれも、最早もう長年人の住まわなかったものか、ゆかも壁も
怪物屋敷 (新字新仮名) / 柳川春葉(著)
売れッ子の若い人気作者の住居すまいとは思われない古風な武者窓むしゃまどの付いたすこぶ見窄みすぼらしい陰気な長屋であった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)