武家さむらい)” の例文
それで、お玉はこの人がお武家さむらいであるということを知って、いっそう心細いような、心強いような、妙に混乱しきった心持になっていると
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
武「いや不調法な事はちっともない、柳番屋の処へ袖乞いに出る娘に武家さむらいが金子を遣ったんだな」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
是れからすぐに町奉行所へ出て、依田豊前守のお調べに成りましたが、此の下河原しもがわら清左衞門は人違いか、全くの毒を盛った武家さむらいか、是れは後篇に申し上げることにいたします。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「もしお役人様、ただいま、あなた様方にお目にかかりたいと、一人のお武家さむらいがこれへお見えになりました。お名前は水戸の山崎譲と申せばおわかりになると申しますのでございます」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と話をして居ります処へくだん武家さむらいが雪駄でチャラリ/\腰掛へ這入って来ました。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お徳さんは、あのお武家さむらいさんをどうなさるつもりでしょう。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
昨夜ゆうべめえは、すんで捕捉とっつかまって、ポカリとやられちまう処だッたんだ、以前もとはお武家さむらいで、剣術やっとうの先生だから、処がモウ年を取っておいでなさるから、忍耐がまんをして今朝己を呼びによこしたんだが