“此邦”の読み方と例文
読み方割合
このくに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか使に来た何如璋かじょしょうと云う支那人は、横浜の宿屋へ泊って日本人の夜着を見た時に、「これいにしえ寝衣しんいなるもの、此邦このくに夏周かしゅう遺制いせいあるなり。」
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
先に拿翁の蹂躪じうりんに遭ひ、今後更に慮るところあり。昔日暴風雨をしのぎ、疾雷閃電の猛威を以て、中原を席捲せきけんし去りたる夢は今何処いづこにかある。平和の君、平和の君、切に此邦このくにを憐れまれん事を願ふ。
想断々(2) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)