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欷歔
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ききよ
ふりがな文庫
“
欷歔
(
ききよ
)” の例文
気落ちした様に「桐の花」の原稿を投げ棄てて小生と母と二人
欷歔
(
ききよ
)
したのも——それから如何に逃れ難い悲哀の
面
(
おもて
)
に面接したとはいへ
わが敬愛する人々に
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
世には一人の猶我を愛するものなしと
欷歔
(
ききよ
)
して叫びし時、否、アントニオと云ふ聲耳に響きて、われは温き掌の我額を撫で、
忽
(
たちまち
)
又熱き唇の其上に觸るゝを覺えき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
跡は
欷歔
(
ききよ
)
の聲のみ。我眼はこのうつむきたる少女の顫ふ
項
(
うなじ
)
にのみ注がれたり。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
詩神は蒼茫たる地中海を渡り、
希臘
(
ギリシア
)
の緑なる山谷の間にいたりぬ。
雅典
(
アテエン
)
は荒草斷碑の中にあり。こゝに野生の
無花果樹
(
いちじゆく
)
の
摧
(
くだ
)
け殘りたる石柱を
掩
(
おほ
)
へるあり。この間には鬼の
欷歔
(
ききよ
)
するを聞く。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
跡は
欷歔
(
ききよ
)
の声のみ。我
眼
(
まなこ
)
はこのうつむきたる少女の
顫
(
ふる
)
ふ
項
(
うなじ
)
にのみ注がれたり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
欷歔
(
ききよ
)
しつつ
九年母
(
くねんぼ
)
むきぬ。
酸
(
す
)
ゆかりき。あはれそれより
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ダルドルフの
癲狂院
(
てんきやうゐん
)
に入れむとせしに、泣き叫びて聴かず、後にはかの襁褓一つを身につけて、幾度か出しては見、見ては
欷歔
(
ききよ
)
す。余が病牀をば離れねど、これさへ心ありてにはあらずと見ゆ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
欷
漢検1級
部首:⽋
11画
歔
漢検1級
部首:⽋
16画
“欷”で始まる語句
欷
欷咽
欷声
欷泣