ゴク)” の例文
が、地理に関した点ばかりのゴクき書きで、役には立たぬ本だと、島から東京へ調べに行つたものが申しました。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
棒にするには、ゴク都合の良い木である。恐らく、秋の祭りに楸の木を使用したものであらう。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ゴクの近代まであつた、不景気の世なほしに、秋に再び門松を立てたり、餅を搗いたりした二度正月の風習は、笑ひ切れない人間苦の現れである。が、此とて由来は古いのである。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
河童の事を河郎カハラウ・かつぱと言ふのが、河わらは・河わつぱから来たのだ、と言ふことは疑ひがない。だから、河郎・かつぱが、絵にある形の頭をした者に定つた事は、ゴクの近代でないと知れる。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)