もみぢ)” の例文
江戸時代にもみぢの名所と云はれた正燈寺しやうとうじも亦大音寺前に在つたが、庭内の楓樹は久しき以前、既に枯れつくして、わたくしが散歩した頃には
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
爾余は野遊の七律一、菊ともみぢとの七絶各一、柳橋を過ぐる七絶一、木村定良さだよしに訪はれた五律一である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私がお抱き申して枕頭まくらもとへ参りますとネ、細ウいお手に、もみぢの様な可愛いお手をお取りなすつて、梅ちやんと一と声遊ばしましたがネ、お嬢様が平生いつもの様に未だ片言交かたことまじりに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
園遊会の片隅のいたやもみぢかげ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)