桑田そうでん)” の例文
また厖大ぼうだいな地域には、桑田そうでんもあり、塩焼く海女あまの小屋もあるうちから、もう宏大な一門の別荘などを建て出したものである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桑田そうでん変ずるの現実味をしみじみと味わわされて、それでもむりやりにその望みを遂げたほどの執拗性がここへ来てもやっぱり海を見たい——単に見たいのではない、見てやりたい
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちがうよ、あれは桑田そうでん変じて滄海そうかいとなるだよ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
公、覚めて桑田そうでんを召す、云云うんぬん
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
桑田そうでんは一夜に変じて、規格正しい道路となり、湖に臨む山のうえには、いつのまにかもう天守閣の骨組みができていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして呂宋兵衛たちは、この村をいつくしたら、次の部落へ、つぎの部落を蹂躪じゅうりんしきったらその次へ、ぐんをなして桑田そうでんらす害虫のように渡りあるく下心したごころでいるのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)